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Breeding Biology

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マレー​​アンタエウス飼育ブログ「ブリーディング バイオロジー」

Breeding Biology

飼育の着眼点 「縮み」をコントロール


サイズ意識の方が多いので、羽化サイズに決定的な影響がある「瓶交換時から蛹化までの体重減少」・「蛹化時の体重減少」・「羽化時のサイズ縮小」について、飼育結果と観察を元に書いてみます。

「 瓶交換時から蛹化までの体重減少を軽減 」

仕上げとなる最終瓶へ交換後も「もうひと伸び!」と私も期待はしますが、蛹化・羽化目的の瓶なので交換時の幼虫はもう3齢中期〜後期辺りのはず。意識すべきは伸ばすことではなく、縮ませないこと。瓶交換による幼虫のダメージを軽減する投入方法を工夫する。瓶交換から蛹化・羽化までが長期化した場合のメリットが私の飼育では見当たらず、サイズだけでなく顎の太さや羽化不全を減らすためにも最終瓶の段階は低温過ぎる飼育は避けたほうが良いと考えています。

「 蛹化時の体重減少を軽減 」

高温飼育が原因と考えられる失敗例では、瓶交換時43.3g→蛹化23.7g、瓶交換時44.7g→蛹化24.5gのような極端に縮む残念な結果が今期にはあり、私の飼育では蛹で24.5gは瓶交換時33gが2ヶ月後(蛹室作り+前蛹の期間でしかない)に蛹化しても可能なサイズですので、誤った飼育をすれば起きうることだと思います。逆に縮みが少ない適温飼育での成功例では、前期だと瓶交換時39gが2ヶ月半後に蛹化で29.1g、今期では瓶交換時37gが2ヶ月後(蛹室作り+前蛹の期間でしかない)に蛹化で27.6gや、瓶交換時36gが2ヶ月半後の蛹化で27.4g。ギネス83.27mmは蛹化時27.5gでしたので、蛹化時の体重減少の軽減を飼育者がコントロールできるなら同血統においては37gほどの幼虫でもギネスサイズが羽化できる可能性があることになります。 ※ 「幼虫→蛹化」「蛹化→羽化」の成長サイズについては、同血統であっても異なる成長のタイプも存在しますし、飼育環境で全く異なってしまうと思います。

「 羽化時のサイズ縮小を軽減 」

何度と観察していると上翅部だけは羽化次第でサイズが変動するのでは?と思えます。腹節が上翅に合わせて収まる必要があるので変動の許容は+1mm以内かとは思いますが。蛹室内の湿度を羽化時に適度に高く調整することで上翅が伸びやすくなる可能性があると考えています。私の飼育では湿度が低い人工蛹室時に上翅が伸びきれなかった結果があり、羽パカになる原因は一つではありませんが乾いた内気環境が上翅の伸びに影響があるように感じたのが理由です。また、飼育のどの工程にも言えることですが、外部からの異変や外敵を察知するようなストレスは避けるべきなので、明るい光や動かすなど観察方法に刺激を与えない工夫が必要ですし、露天や人工蛹室についても今期はデメリットばかりを感じましたので、(蛹化のサイズデータが残せなくなりますが)自然蛹室への期待が大きくなりました。

幼虫や蛹の伸び具合(サイズ結果)に注目するこも大切ですが、縮みの軽減を意識し模索する飼育が追求できれば羽化サイズは違ってくるのではないでしょうか?

私はサイズよりも顎の形状に拘っているので、次の機会には形について書きたいと思います。

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